2013年度(前期)活動報告

活動報告(6~9月)

 25年度の活動を紹介します。今年はPJメンバーを4つの班に分けて活動しました。

  • 冊子班

私たちの目的は、今までのたたらPJの活動を今後の活動に生かせる形にして残すことです。2013年度の時点で、たたらPJの活動記録は、紙として、フォルダとして、先輩の中の思い出として、様々な場所に散らばっていました。そこで、今年度私たちは、それらの記録を今後の活動に生かせるように、Wordという形に一括してまとめていくという活動を行いました。

  • 熱電対班

 私たちの目的は炉内の温度測定機構の確立です。今まで私たちが使用していた熱電対はN熱電対と呼ばれ1300℃までしか測定することができませんでした。炉内で鉄の吸炭が行われるのは1350℃であり、操業の炉内目標温度が1500℃であることから正確な炉内の温度を知る必要がありました。そこで今年度は、1500℃まで測定可能なB熱電対を購入し、温度測定回路を組みました。

 

6月
 因みに、N熱電対やB熱電対のN,Bは素材を表しています。Nならばニッケル、クロム、シリコンであり、Bならばプラチナを指します。なので、素線の素材は白金のものを購入しました。線径0.5 mm,長さ1000 Lと細く、値段は4万強なので扱いには注意しました。
素線
8月
 材料(素線、銅線、セラミック保護官、ネジ、温度測定器)の調達を終えたので、実際に熱電対の作成に取り掛かりました。下図は完成品のイメージです。
イメージ図

   

     熱電対の製作内容を紹介します。

  • まずは、素線にセラミックの保護官を通していきました。
  • 次に、素線の先二箇所と銅線二本の先四箇所にそれぞれY型圧着端子を取り付けていきました。その後、素線と銅線を圧着端子のところをネジで固定しました。
完成品
  • 残りの銅線部分の圧着端子と温度測定器をネジで固定して完成です。
 8月9日に水へしを行いました。製作した熱電対で炉内の温度を測定できるかも同時に試してみました。結果は、正確な測定はできませんでした。原因は、導線部にセラミック管を通していなかったためショートしたからだと考えられます。なので、セラミック管を通しました。
 前期の活動はここまでです。後期は、Al,Snを用いた熱電対の校正を行うことで正確な温度を測定できるか最終確認をします。
  • 実験・分析班

 

送風機の送風量の調査と水へしの実施を担当しました。

 

たたら製鉄において風量は、炉内温度に関係する重要な要素です。

操業における風量を数値データとして残すため、この班は送風機の電圧と体積流量の関係を調査しました。その結果を下図に示します。

送風機の電圧と体積流量の関係
送風機の電圧と体積流量の関係

こうして風量をデータに残すことができ、今後送風機を購入するときの参考にすることもできます。

 

またこの班は水へしを主導しました。

 

操業で得たケラは玉鋼の炭素濃度1.0~1.5%と一致せず、卸を行い炭素濃度を調整する必要があります。

 

つづく

  • 操業班

 

操業マニュアルの作成を担当しました。操業マニュアルとは、操業の手順をつづったものです。さらに、操業に関する注意点や準備物も詳しくつづっています。

 

最終目標はこのマニュアルを見て、誰もが操業が成功することです。

現段階ではその段階まで到達していませんが今年の活動で学んだことを生かして目指していきます。